平屋は安い? 平屋以外と比較|ローコスト平屋住宅(専門店)のレスモア

「平屋は安い」と耳にしたことはありませんか? ワンフロアで完結する住まいはシンプルで魅力的ですが、建築コストや土地代、さらには維持費を含めると、必ずしも「安い」とは限りません。

この記事では、平屋と日本で多い2階建て住宅を比較しながら、初期費用から長期的なコストまでトータルで検証していきます。最後には平屋を安く建てるための工夫もご紹介します。これから家づくりを検討している方はぜひ参考にしてください。

結論から言うと、同じ延床面積で比較した場合、初期の建築費用は2階建ての方が安くなる傾向にあります。

これは、平屋の構造的な特性が関係しているためです。

ハウスメーカーが示す坪単価は、一般的に2階建て以上を想定して算出されています。平屋の場合、同じ床面積(たとえば30坪)を確保するために、2階建て(1階15坪、2階15坪)に比べて基礎部分と屋根の面積が約2倍必要になります。

基礎と屋根は、住宅の構造の中でも特にコストがかかる部分であるため、この面積が大きくなることで、坪単価で見たときに平屋が割高になってしまうのです。

【坪単価の目安】

  • 平屋:70〜95万円/坪
  • 2階建て:60〜85万円/坪

平屋は1階部分が広いため、基礎や屋根にかかる材料費が増える=坪単価はやや高めです。

【延べ床面積でみた建築費例】

  • 20坪平屋:1,400〜1,910万円
  • 30坪平屋:2,100〜2,850万円
  • 40坪平屋:2,800〜3,800万円

しかし、これはあくまで坪単価の比較であり、建物の総額ではありません。平屋は階段や2階のトイレ・ベランダなどが不要になるため、シンプルな設計なら費用差を縮められることもあります。

都市部か郊外かが大きく影響しますが、土地代は2階建てや3階建ての方が安くなる傾向があります。平屋は同じ延べ床面積を確保するために、2階建てより広い土地が必要になるためです。

30坪の延べ床を確保する場合、それぞれが必要とする土地の広さは以下のようになります。

  • 平屋:40〜50坪の土地が必要
  • 2階建て:30〜40坪の土地で可能

たとえば都市部で坪単価50万円の土地を購入する場合、10坪分の差で500万円近く変わる可能性が考えられます。一方、土地が比較的安い郊外や地方なら土地代負担はそこまで大きくならずに済むため、平屋の選択肢も出てきやすくなるでしょう。

維持費・メンテナンス費においては、これまで高い傾向だった平屋が2階建てに逆転して安くなります。建てた後の維持費やメンテナンス費用という長期的な視点が、平屋の真の経済性を発揮するポイントです。

足場代と修繕範囲

家を長く維持していく上で、最も大きな出費の一つが外壁や屋根のメンテナンスです。

2階建て以上の場合、外壁や屋根の塗り替え、修理を行う際には必ず大規模な足場を設置する必要があります。この足場代だけで数十万円かかるのが一般的です。一方、平屋は建物の高さが低いため、修繕箇所や作業内容によっては足場が不要になるケースや、足場を組むにしても費用が安く抑えられるケースが多くあります。

また、水漏れなどのトラブルが発生した場合、2階建てでは2階からの漏水が1階の天井や壁にも被害を及ぼし、修繕範囲が広くなりがちです。しかし平屋はワンフロアで完結しているため、被害が局所的で済む可能性が高く、修繕コストを抑えやすいと言えます。

税金(固定資産税)

固定資産税は土地と建物の評価額に基づいて課される税金です。土地に関しては、平屋は広い土地を必要とするため、都市部では2階建てよりも固定資産税が高くなる傾向があります。

建物に関しては、平屋は基礎や屋根の面積が広くなる分、使用される資材が増えやすく、その結果として評価額が高くなるケースもあります。

ただし建物の評価額は年数とともに下がるため、必ずしも長期的に平屋が不利になるとは限りません。土地代や修繕コストなどと合わせて総合的に判断することが大切です。

光熱費・冷暖房効率

平屋は家全体がワンフロアで完結しており、冷暖房の効率が良いというメリットがあります。

2階建て、特にリビング階段がある間取りでは、温かい空気は2階へ、冷たい空気は1階へ逃げやすく、冷暖房が効きづらい傾向があります。

平屋ではこうした上下の空気の移動がないため、エアコンの稼働時間を短縮でき、光熱費の節約が可能です。また、給湯や給水ルートもシンプルになるため、無駄が少なく、これもランニングコスト削減に貢献します。

バリアフリーコスト

高齢になったときや、怪我などで体の自由が利かなくなったとき、2階建てで生活するには階段の上り下りが大きな負担となります。将来的に階段昇降機を設置したり、生活空間を1階に限定したりするなどの、大規模なリフォームが必要になる可能性もあるでしょう。

一方、平屋はもともと階段がなく、ワンフロアで生活が完結するバリアフリー構造です。そのため、将来的に手すりを付けるなどの最低限の改修で済み、高額なバリアフリー改修費用が不要になるという、非常に大きな長期的な経済メリットがあります。

建築費・土地代・維持費、それぞれの違いを見てきましたが、総合的に判断するとどうなるのでしょうか。ここでは、30坪を想定した平屋と2階建てのコストを表にまとめて比較してみます。

項目平屋2階建てポイント
建築費用(本体工事)坪単価:約70〜95万円30坪の場合:約2,100〜2,850万円坪単価:約60〜85万円30坪の場合:約1,800〜2,550万円平屋は基礎・屋根が広くなるため、坪単価がやや高め
土地代延床面積30坪で必要土地:約40〜50坪延床面積30坪で必要土地:約30〜40坪平屋は広い敷地が必要で、都市部では負担増になる
固定資産税建物評価がやや高くなる傾向土地も広い分課税対象が増える延床30坪でも土地はコンパクトで済むため相対的に低め建物評価額は時間とともに下がる点も考慮
修繕・メンテナンス足場不要なケースが多く、外壁塗装などは安く済む外壁や屋根補修には足場設置が必要で割高長期的には平屋に優位性あり
光熱費冷暖房効率が良く、省エネ性を確保しやすい空気が上下階で分かれるため効率が落ちやすい間取り・断熱性能によって変動
バリアフリー性ワンフロアで段差が少なく、高齢期も安心階段の上り下りが必要長期居住を考えると平屋に優位性


初期費用だけ見れば2階建てが有利です。ただし長期の維持費や快適性を考えると、平屋が「安い」と言えるケースもあります。

では、少しでも平屋を安く建てたいときにはどうすればいいのでしょうか。実際にコストを抑えるための工夫には、以下のようなものがあります。

  • 規格住宅やセミオーダーを選ぶ
  • 四角いシンプルな形にする(凹凸が少ない方が安い)
  • 廊下を減らして空間効率を高める
  • 水回りをまとめる
  • 平屋に適した土地を選ぶ(造成費を抑えやすい)

コストを押さえるための詳細な情報は、以下の記事を参考にしてください。
平屋の価格はどうやって決まる?|ローコスト平屋住宅専門店のレスモア – Lessmore

平屋は、建築費や土地代の面では2階建てより割高になるケースが多い一方、修繕費や光熱費、バリアフリー性といった長期的な観点ではメリットが目立ちます。とくに岩手県のように土地を比較的広く確保しやすい地域では、平屋の経済性や住みやすさが大きな魅力となるでしょう。

「平屋は安い・高い」と一概に言うことはできません。初期費用だけでなく、維持管理費や将来のライフスタイルまで含めて総合的に判断することが大切です。予算を抑えつつ平屋を建てることも、工夫することで実現できます。

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