
平屋住宅の検討を始める際、「実際の相場はいくらなのか」「近年の価格高騰の影響はどうか」といった費用に関する疑問は尽きません。平屋の総額は複数の要因が複雑に絡み合って決定されるため、その相場を正確に把握するのは困難です。
この記事では、ローコスト平屋住宅専門店であるレスモアが、平屋の相場の変化・地域別の傾向・今後の見通しまでを分かりやすく解説します。
平屋の相場はどう変化してきた? 近年の価格動向
コロナ禍以降、平屋住宅の需要が急速に高まりました。在宅時間の増加で「家の中で快適に過ごしたい」「階段移動のない住まいにしたい」という声が増えたこと、またリモートワークの普及による地方移住の広がりも、その背景にあります。
たとえば、2020年頃は坪単価60万円台も珍しくありませんでしたが、2025年現在では80万円台が中心価格帯です。建築資材や人件費の上昇により、全国的に右肩上がりの傾向が続いています。
【傾向①】全国的に価格は上昇傾向
木材価格や職人不足の影響で、平屋に限らず住宅全体でコスト増が進行中です。
【傾向②】ローコスト平屋が増え、二極化している
間取りを規格化したローコスト平屋と、デザイン性を重視した高品質平屋の両極化が進み、価格帯の幅が広がっています。
平屋の相場を左右する4つの要因と予算計画に活かすコツ
平屋の相場(総額)は「土地代+建物本体価格+諸費用」で決まります。特に建物の本体価格は次の4つの要因を理解・コントロールすることで、予算内に収められるようにしましょう。
要因①:建築コスト
平屋は総費用を大きく左右する基礎と屋根面積が広くなるため、2階建てよりも施工コストが上がりやすくなります。
ただし、構造がシンプルで間仕切りが少ない分、設計を工夫すればコストダウンも可能です。
要因②:省エネ基準・ZEH化による仕様コスト
2025年以降、新築住宅には省エネ基準が義務化される方向です。断熱性能や高効率設備の導入は初期コストを上げるものの、光熱費の削減や快適性の向上といった長期的メリットがあります。
ZEH(ゼロエネルギーハウス)仕様にする場合、建物価格がおよそ100〜200万円程度上乗せされるケースが多いでしょう。
要因③:地域差
同じ延床面積でも、地域によって価格差は大きく異なります。都市部は地価・人件費が高いため、坪単価も上がる傾向がありますが、地方や郊外は施工単価が比較的安定しており、同じ予算でより広い平屋を建てられることもあります。
要因④:建築会社やプラン
建築会社によって標準仕様や工事範囲が異なるため、見積もりの段階で比較が重要です。
ローコスト専門店では規格プランを活用することでコスト削減が可能ですが、注文設計にすると自由度は上がる代わりに費用も増えます。
相場情報から無理のない総額を導く3ステップ
相場変動の要因を理解した上で、予算オーバーを防ぐための具体的な3ステップを紹介します。総額から逆算して、現実的な建物予算を導きましょう。
相場の底値を知る
まずは、自分の地域の「最低価格帯」を知ることが大切です。その底値を基準として「この仕様を追加するといくら上がるか」を判断し、予算の曖昧さを排除しましょう。
土地代を先に確定する
平屋の総額相場において、土地代は最も大きな比重を占めます。
総予算の中で土地にかけられる費用の上限を先に確定させることが、予算計画の最優先事項です。先に土地予算を確定することで、残りの金額で建てられる建物の相場を正確に割り出せます。
諸費用込みで建物予算を逆算する
総額の計算で最も見落としやすいのが諸費用です。
総予算から「確定した土地代」と「総額の10%〜20%に相当する諸費用・付帯工事費(外構など)」を差し引いた残りが、建物本体に充てられる最終的な予算となります。
地域別に見る平屋の建築相場の傾向

平屋の相場は、土地価格・施工単価・需要によって地域差が大きく出ます。
以下の表は、2025年時点の坪単価目安です。
【地域別・平屋の坪単価目安(2025年時点)】
| 地域区分 | 坪単価の目安(建物本体) | 特徴・傾向 |
| 北海道・東北地方 | 約70〜95万円 | 断熱・暖房設備など寒冷地仕様でコスト高。雪対策を含めると上限寄りが一般的。 |
| 関東(首都圏含む) | 約90〜110万円 | 地価・人件費が高く、デザイン性や高性能住宅の需要が強い。 |
| 中部・北陸地方 | 約75〜95万円 | 断熱・耐雪性能を備えた平屋が主流。施工単価は比較的安定している。 |
| 近畿地方 | 約80〜100万円 | 都市部は高止まり、郊外ではローコスト平屋も増加傾向。 |
| 中国・四国地方 | 約70〜90万円 | 温暖で施工しやすく、コスパ重視の平屋が多い。 |
| 九州地方 | 約65〜85万円 | 比較的温暖な気候で施工コストを抑えやすい。地方都市では50万円台も。 |
| 沖縄県 | 約80〜100万円 | 台風対策・鉄筋コンクリート造が多く、構造コストが高め。 |
※この表の数値はあくまで目安であり、実際の費用は個別の条件により変動します。あくまで予算計画を立てる際の参考情報としてご活用ください。
地方都市・郊外:比較的安定した相場
地方や郊外エリアでは、土地代が安く施工単価も安定しています。坪単価は50〜70万円程度が目安で、1,000万円台で建てられる平屋も少なくありません。
広い土地を確保しやすいため、庭付きの平屋ライフを希望する層に人気です。ただし、資材費や人件費の高騰は全国共通のため、建物単価は以前より上がっています。
都市圏・首都圏:需要増で上昇傾向が続く
都市部では土地が限られているうえに建築コストも高く、坪単価90〜110万円を超えるケースもあります。狭い土地で必要な採光や通風を確保するための特殊設計も、コストを押し上げる要因です。
その分、デザイン性や断熱性能など、高品質な住まいを求める層が中心となっています。
北海道・沖縄など特殊エリア
北海道では断熱性能、沖縄では台風対策など、地域特有の仕様コストがかかります。そのため坪単価は80〜100万円前後が相場です。
今後の平屋相場はどうなる?市場予測と見通し
平屋建築を検討している方にとって、今後の相場予測は気になるところでしょう。市場予測と見通しについて解説します。
建築資材価格は高止まり傾向
一時的な急騰は落ち着きつつあります。しかし、人件費の上昇や円安の影響もあり、資材価格が大幅に下がる見込みは薄く、建築費の相場は高止まりが続くでしょう。これに伴い、平屋の総額相場も横ばいか、緩やかに上昇する傾向が続く可能性が高いと考えています。
コンパクト住宅・規格住宅へのシフトが進む
建築コスト上昇を受けて、延床25〜30坪前後のコンパクト平屋が増加傾向にあります。間取りを規格化することでコストを抑えつつ、生活動線を工夫するスタイルが主流です。
中古平屋やリノベ需要の増加
「新築は高い」と感じる層の受け皿として、中古の平屋をリノベーションする需要が増加すると予測されます。古い平屋を現代の高性能仕様に改修するリノベーションも、総額相場を抑える選択肢の一つとなるでしょう。
平屋の相場の傾向について解説のまとめ
平屋の相場はここ数年で確実に上昇していますが、地域差・プラン・仕様によって幅があり、工夫次第でコストを抑えることも可能です。建築資材価格の高止まりが続く中でも、コンパクトで無理のない設計を選ぶことで、理想の平屋を実現できます。
岩手県初の平屋専門店「レスモア」では、高品質×低コストを両立した家づくりをサポートしています。あなたにぴったりの平屋を実現するため、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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