
平屋はワンフロアで生活が完結する、人気の住まいです。しかし、いざ「平屋を購入しよう」と動き出すと建物本体価格ばかりに目がいき、その他にかかる費用を見落としてしまうケースが少なくありません。
特に地盤調査・付帯工事・インフラ引き込み・諸費用といった“見えない出費”は、最終的な総額を押し上げる要因になりやすく、「見積もりより高くなってしまった」という後悔につながります。
この記事では、平屋購入の際に把握しておくべき費用を整理しながら、スムーズに計画を進めるためのチェックポイントをわかりやすく解説します。これから平屋を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
平屋を購入するときに見落としやすい費用項目
平屋の購入費用というと、どうしても建物本体価格に意識が向きがちです。しかし実際には本体価格以外にかかる「その他費用」が多く、場合によっては100〜200万円の差が生まれることもあります。
ここでは、以下4つの見逃しやすい代表的な費用について見ていきましょう。
- 地盤調査・地盤改良費
- 付帯工事費
- インフラ整備費
- 諸費用
地盤調査・地盤改良費
建築前には必ず地盤調査をします。住宅が安全に建てられる地盤かどうかを確認し、沈下のリスクがある場合は地盤改良工事を行うためです。
平屋は建物全体が横に広くなるため、2階建てよりも床面積が大きくなりがちです。建物荷重は分散するものの、建築面積が広い分、弱い地盤の影響を受けやすくなります。そのため、調査結果によっては改良工事が必要になり、費用が大きく変動します。
【一般的な費用相場】
- 地盤調査:5万〜30万円
- 地盤改良:30万〜100万円以上(工法・地盤の強度で変動)
【対策ポイント】
必ず複数社で見積もりを比較しましょう。地盤保証(10年保証など)の内容を確認することも大切です。そして、土地購入前に地歴や周辺環境を調べておくようにしてください。
付帯工事費
付帯工事費とは、建物本体以外に必要な工事費用の総称です。これが本体価格に入っていない理由は、「土地の状況によって費用が大きく変動するから」です。
付帯工事には、以下のようなものがあります。
- 造成工事(整地・土留め・擁壁工事など)
- 外構工事(駐車場・アプローチ・フェンス・庭づくり)
- 給排水工事(公共配管との接続)
また、平屋は建築面積が広いため、外構工事のやり直し範囲も自然に大きくなり、2階建てよりも費用が高くなることがあります。
土地の高低差が大きい場合は造成費だけで50万〜150万円かかるケースもあるため、早い段階で費用を確認しておくことが重要です。
水道引き込み・電気・ガスなどのインフラ整備費
土地を購入しても、すぐに家を建てられる状態とは限りません。公道を通っている水道や電気、ガスの本管から敷地内へ引き込む工事費用が必要です。
特に敷地が広い、または公道から奥まった位置にある土地(旗竿地など)の場合、本管からの引き込み距離が長くなり、配管・配線の工事費用が施主の全額負担となることがあります。
引き込み距離が長くなるほど配管材料や工事の手間が増え、費用は数十万円〜100万円以上と大きく変動します。不動産会社に依頼し、購入前にインフラ整備の状況と概算費用を必ず確認しましょう。
諸費用
住宅購入に伴う税金や手数料、手続きに関する費用の総称です。金額は大きくありませんが数が多く、まとめて支払うことになるため、予算を圧迫しがちです。
【住宅ローン関連費用】
ローン事務手数料、保証料、火災保険料などです。特に長期優良住宅などの申請にかかる費用(数十万円)も、将来の住宅ローン控除や補助金を活用するための「見えない費用」として加算されます。
【登記関連費用】
土地の所有権移転登記、建物の表題登記、保存登記など、手続きの種類が多くあります。専門家である司法書士への報酬を含めると数十万円かかるため、最初から見込んでおきましょう。
【固定資産税・都市計画税の精算金】
土地の引き渡し時に、売主が納税した税金を日割りで買主が負担する精算金が発生します。
【申請費】
建築確認申請費用や、住宅ローン控除や補助金を活用する前提で建てる場合の「長期優良住宅」などの認定申請費用も、数十万円の出費があります。
平屋購入を成功させるためのチェックポイント

平屋の購入は、費用だけでなく「土地」「間取り」「仕様」など複数の要素をバランスよく検討することが大切です。ここでは、失敗を防ぐための押さえておきたいポイントをみていきましょう。
購入前に必ず“トータル予算”を出しておく
平屋は建築面積が広くなる分、付帯工事や外構費が高くなりやすいという特徴があります。そのため、建物本体価格だけで予算を組むことはしないようにしましょう。
見積もりを取る際は「建物本体+付帯工事+外構+諸費用」すべてを含めた“全部入り見積もり”を出してもらうことが大切です。
複数社から見積もりを取るときは、項目の定義がメーカーによって異なるため、内容を揃えて比較するようにしましょう。
予算に「予備費」を組み込む
どんなに入念な計画を立てても、地中埋設物が見つかる、地盤改良が必要になる、工事途中で資材が高騰するなど、予期せぬ出費が発生する可能性はゼロではありません。
必ず総予算の5%〜10%を「予備費(バッファ)」として確保しておきましょう。この予備費があれば、万が一の出費が発生しても資金計画が破綻することなく、安心して家づくりを進められます。
土地と間取りはセットで考える
平屋は、2階建てよりも広い土地面積を必要とするため、「土地→家」という順序ではなく、「建てたい家(間取り)→それを実現できる土地」という順序で考えることが大事です。
特に土地の建蔽率(建物を建てられる敷地の割合)や容積率は、平屋の間取りの広さに直結します。また、高低差のある土地は眺めが良いなどのメリットがある反面、擁壁工事や基礎工事費用が高額になるリスクがあります。相性の悪い土地を選ばないよう、ハウスメーカーと一緒に土地探しを進めましょう。
断熱・耐震などの性能は妥協しない
平屋は2階建てに比べて屋根からの熱の影響を受けやすいため、天井や屋根の断熱材を強化することが「夏暑い/冬寒い」という後悔を防ぐ鍵となります。Ua値(外皮平均熱貫流率)などの性能値を基準に、快適な生活を送れる性能を確保しましょう。
また、広い面積に基礎が広がる平屋はもともと耐震性に優れていますが、地震に強い家を建てているメーカーの選定は必須です。
メーカーごとの“見積もりの出し方の違い”
住宅メーカーによって、見積もりに含まれる内容や標準仕様は大きく異なります。
特にローコスト住宅では“本体価格”が安く見えても、外構・付帯工事・諸費用が別途になっているケースが多いのが特徴です。
数社のメーカーで比較するときは、以下の項目を揃えて確認するようにしましょう。
- 本体価格の定義
- 標準仕様の内容
- 外構・付帯工事の扱い
- 諸費用の計上方法
総額の透明性が高い会社ほど後の追加費用が少なく、安心して家づくりを進められます。
平屋購入の際に意外にかかるその他費用について解説のまとめ
平屋の購入の成功は、「建物本体価格」に惑わされず、「付帯工事費」と「諸費用」という見落とされがちな費用まで含めたトータルコストを正確に把握できるかにかかっています。
特に、地盤改良費やインフラ整備費は土地の状況に大きく左右され、想定外の出費になりやすい項目です。購入後の後悔を避けるためにも、計画の初期段階から信頼できるハウスメーカーと綿密な予算計画を立てましょう。
ローコストで理想の平屋ライフを実現するために、ぜひ平屋住宅専門店のレスモアにご相談ください。
奥州市レスモアの平屋プランはこちら:https://less-more.biz/plan/588.php
