
上下の導線がなく、暮らしやすいと人気がある平屋ですが、外観デザインで悩む方は少なくありません。
2階建ての家よりも屋根や壁の面積が増えがちな平屋で、外観デザインをおしゃれに、センス良くまとめるためには、ポイントがあります。
そこでこの記事では、平屋の外観デザインを決めるに当たって大切なことや、センスの良さを決定する要素、外観デザインで失敗しないための注意点などについて解説します。平屋を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
まずは外観のテーマやスタイルを決める
「おしゃれ」や「センスがよい」と評価される建物は、全体に通じるテーマやスタイルがあります。そのため、外観デザインに取り掛かる前に、まずはどのようなスタイルにしたいのか、どのようなテーマを持つ家にしたいのかについて、じっくり考えてみてください。
モダンな家、ナチュラルな家、和風の家といったようなスタイルを決めることによって、屋根や外壁素材、色などを決めやすくなります。もしもテーマやスタイルを決めずに好きな素材や形だけで選んでしまうと、出来上がった家は複数のスタイルが入り乱れてちぐはぐな印象になってしまい、居心地の悪さを感じる恐れが高くなってしまうでしょう。
人気のスタイルの種類と特徴
たとえば、人気があるスタイルには以下のようなものがあります。それぞれの外観的特徴をまとめました。
スタイル | 外観の特徴 |
和モダン | 瓦屋根・格子・障子などの伝統素材を現代風に使用する |
カフェ風 | 自然素材を使い、窓枠や扉などで可愛らしさ、明るさを演出する |
北欧風 | 白やグレー、ブルーのツートン外壁・木製サッシ・ポーチなど |
サーフ風(カリフォルニア風) | 白と木目・大きな開口部・片流れ屋根など |
【平屋の外観】センスの良さを決定する5つの要素

以下は、平屋の外観でおしゃれさ・センスの良さを決定する5つの要素です。
- 屋根の形
- 外壁の素材
- 窓の大きさや配置
- 色使い
- アプローチ
屋根の形
平屋は建物に高さがない分、屋根がそのまま外観の主役になるため、デザイン性や素材、勾配のバランスを調整しなくてはなりません。
屋根の形には以下の4つがあり、それぞれに特徴が異なります。先に決めたテーマやスタイルに似合うものを選びましょう。
【片流れ屋根】
片側だけに傾斜をつけた、シンプルでシャープな印象の屋根です。勾配天井により室内空間が広がるため、スキップフロアやロフトを設けやすくなります。また、広い屋根面積は太陽光発電にも適しています。
【切妻屋根】
本を伏せたような形状で、日本家屋に多く見られる屋根です。和風にも洋風にも合わせやすく、周囲の景観に馴染みやすいのが特徴です。
【陸屋根】
傾斜のないフラットな屋根で、都会的でスタイリッシュな印象を与えます。屋上スペースとして活用しやすい一方、雨水の排水や防水性を維持するための定期的なメンテナンスが欠かせません。
【寄棟屋根】
家の中心から四方に傾斜している屋根です。安定性が高く、風雨に強いことから、台風の多い地域でよく採用されています。
外壁の素材
広い面積を使う外観の素材も、重要なポイントです。
使う素材によっては同じ色でも安っぽく見えたり高級感が出たりと変化するうえに、メンテナンスコストも変わってきます。建物の質感や風合いを大きく変えるため、素材選びは慎重に行いましょう。以下に代表的な素材を紹介します。
【金属系】
ガルバリウム鋼板に代表される、シャープでモダンな印象の外壁材です。耐久性が高く軽量で、耐震性にも優れています。クールでスタイリッシュな平屋に最適です。
【窯業系】
セメント質と繊維質を混ぜて作られる、日本で最も一般的な外壁材です。デザインのバリエーションが豊富で比較的安価、耐火性にも優れていますが、定期的なメンテナンスが必要になります。
【塗り壁・木材】
塗り壁は職人の手仕事が活きる温かい風合いを、木材は経年変化による趣を楽しめます。自然との調和を求めるデザインにぴったりで、唯一無二の個性を表現できます。
【タイル】
土や石を高温で焼いて作るため、耐久性が非常に高く、経年劣化や色あせがほとんどありません。重厚感と高級感を演出し、メンテナンスの手間が最もかからない素材です。
窓の大きさや配置
窓は採光や通風といった機能だけでなく、外観デザインを大きく左右します。外観全体をすっきりと見せるには、窓の高さやラインを揃えるのがポイントです。また、窓のサイズや配置を工夫することで、暮らしやすさも向上します。
たとえば、人通りの多い道路に面した場所には小さな窓を、プライベートな庭に面した場所には大きな窓を配置することで、開放感を確保しつつプライバシーも確保できるでしょう。また、横長の窓やスクエアの窓を複数並べると、モダンでリズミカルな印象を与えられます。
色使い
外観の色は、その家の個性を表現する重要な要素です。メインカラー、アクセントカラー、そして屋根や窓枠、ドアの色など、複数の要素のバランスを考えながら決めましょう。
建物の周りの植栽やアプローチとの調和も意識すると、より美しい仕上がりになります。
アプローチ
アプローチとは、玄関までの道のりや周辺のデザインのこと。家の第一印象を決定づける重要な要素です。
建物との調和を意識し、直線的なデザインでモダンにしたり、曲線で優しい雰囲気を演出したりなど、工夫次第で家の魅力を引き出せます。また、タイルや石などの素材の組み合わせ、植栽、照明を工夫することで、夜間も美しい景観を楽しめます。車椅子やベビーカーでも通りやすい幅を確保する配慮も、忘れないようにしましょう。
平屋外観デザインで失敗しないための注意点
建てた後で後悔せずに済むよう、特に注意しておきたい以下3つのポイントを解説します。
- 周囲の景観との調和
- メンテナンス性
- プライバシーと防犯
周囲の景観との調和
家は単体で存在するものではないため、周囲の景観との調和が重要です。住宅街では近隣住宅と馴染む色や素材を、自然豊かな場所では緑や空に溶け込むようなデザインを選ぶと、洗練された印象になります。
事前に街並みを観察し、周囲から浮かないバランスの良い外観を目指しましょう。
メンテナンス性
外壁材や屋根材は、素材によって劣化のスピードや汚れやすさが異なります。たとえば白い外壁は清潔感がある一方で、雨だれや汚れが目立ちやすい傾向があります。また、木材を多用したデザインは温かみが出ますが、定期的な塗装や防腐処理が欠かせません。
プライバシーと防犯
平屋は1階だけで生活するため、外からの視線や侵入リスクが気になりがちです。プライバシーと防犯に配慮して窓を配置し、アプローチデザインを決定しましょう。
人通りが多い道路に面した窓は小さくしたり、高い位置に設けたりして、室内の様子が見えにくくします。また、窓に防犯ガラスを使ったり、人感センサー付きの照明を設置したりするのも効果的です。
デザインとコストのバランスを考える
外観のこだわりは予算オーバーにつながりがちですが、必ずしも高額な素材や複雑な形状が必要なわけではありません。
たとえば、外壁全体ではなく一部にだけ高価な素材をアクセントとして使う、シンプルな屋根形状を選ぶといった工夫で、コストを抑えながらもおしゃれな外観は実現できます。
また、「初期費用+維持費」で考えることも大切です。汚れにくくメンテナンス周期が長い素材を選ぶと、長期的なコストを抑えられます。限られた予算でも、デザイン性とコストのバランスを意識することで、長く愛せる住まいになるでしょう。
平屋の外観デザインの注目ポイントまとめ
平屋の外観は、屋根の形、外壁の素材、窓の配置、色使い、そしてアプローチという5つの要素で決まります。それぞれの要素が持つ特徴を理解し、自分の理想とする暮らしやデザインに合ったものを選ぶようにしましょう。
また、周囲の景観との調和やメンテナンスといった「暮らし」に関する視点や、デザイン性とコストのバランスを考え、無理なく理想を叶えることが大切です。
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